天火同人の初九:新入社員が信頼できる人を早く見つけるには?
天火同人の初九には「同人于門、咎なし」とあり、門を出てすぐ志を同じくする人に出会えるのは、幸運であり戦略でもある。多くの新入社員は人脈でつまずき、付き合う人や立ち位置を誤る。本稿では意思決定のサポートの視点から、新人が誰に近づき誰を避け、最初の確かな人間関係を築くかの法則を解き明かす。
新しい会社に入ったばかりの頃、早く馴染みたくて仕方ないってこと、あるよね?
あちこち挨拶回ってWeChatを交換したり、進んでお使いを引き受けたり、昼休みには自分から食事に混ざりに行ったり、会議では我先に発言して目立とうとしたり。「自分は根暗で、協調性がなくて、付き合いにくい」なんて思われるのが怖くて仕方ないんだよね。
でもちょっと考えてみて——急いで知り合おうとしてる人たちの中に、助けてくれる人もいれば、足を引っ張る人もいるんじゃない?同じ道を行く仲間もいれば、ただ表面的に親切そうに見えるだけの古株もいるってことに、気づいてる?
天火同人の初九が教えてくれるのは、まだスタートしたばかりの段階で、最初の仲間をどう見極めるかって話なんだ。
同人于門:家を出たすぐそこで、合う人に出会う
初九の爻辞はすごくシンプル——「同人于門,無咎。」
「門」とは家の入り口のこと、つまり家を出たばかり、スタートしたばかりの段階のこと。「同人于門」はつまり——何かを始めたばかりの時、新しい環境に入ったばかりの時に、志を同じくする人に出会える、って意味なんだ。
「無咎」は、咎なし——つまり大丈夫、失敗しない、大きなミスを踏まないってこと。
なんで初九が「咎なし」なの?初九は天火同人の最初の爻で、陽爻が一番下にあって、立場は低く、まだ未熟な段階だ。でも陽爻だから、芯はまっすぐで、積極的に、ちゃんとやろうとしてるってこと。まっすぐな人が、スタート時に同じくまっすぐな人と一緒にやれるなら、大きな失敗なんてするはずないよね。
でもよく噛みしめてほしい——「同人于門」の4文字で大事なのは「同人」じゃなくて「門」なんだ。
「門」って何?境界線で、入り口で、最初のふるいにかける場所なんだ。誰もがあなたの「門」に入れるわけじゃないし、誰とでも同じ道を行く必要なんてない。家を出たばかりの頃は知り合いも少ないし、選択肢も限られてるから、身近な人と仲良くして、信頼できそうな人を数人見つけて一緒に歩むのは正しいことだ。
でも焦って人脈を広げようとしちゃダメ。入社したてであちこちWeChatを交換したり、誰にでも心を開いちゃったりするのは禁物。まずは「門の中」の人のことをちゃんと知ってからにしよう。門の外の人は、ゆっくり見極めればいい。
多くの新人がやらかす失敗は——焦りすぎることだ。新しい場所に来て、自分だけ孤立するんじゃないかって怯えて、ちょっと話しかけられたり笑いかけられたりしただけで、すぐ友だちだと思い込んじゃう。結果どうなる?悪い人に引っかかったり、間違った陣営についちゃったり、人の道具にされちゃったりするんだ。
初九が咎なしなのは、門のところに留まって、外にあちこち走り回らず、まずは身近な信頼できる人と仲良くするからだ。一歩ずつ進めば、大きな失敗なんてしない。
新しい職場では、まずこの3種類の人を探そう
新しい環境に来たら、当然人と知り合わなきゃいけない。でもやみくもに知り合うんじゃなくて、ポイントを絞って探そう。
1人目は、あなたに仕事を教えてくれる人。直属の上司かもしれないし、指導係の先輩かもしれないし、隣の席のベテラン社員かもしれない。この人は、会社や業界、自分の仕事について知るための最初の窓口になってくれる。この人と仲良くなれば、遠回りせずに済むことがたくさんある。どんなミスに気をつけるべきか、どんな人には逆らわないほうがいいか、仕事はどう進めるべきか——こういうのは、誰も教えてくれないと自分で半年は模索しなきゃいけないもんだ。
でも注意してほしいのは——教えてくれる人が、必ずしも同じ道を行く仲間とは限らないってこと。ただ親切なだけかもしれないし、自分の目的があって教えてるのかもしれない。この人からは学びつつも、急いで陣営についたり、この人と束縛される関係になったりしちゃダメ。まずは観察して、この人が会社でどんな立場で、どんな人なのかをちゃんと知ってから、どれくらい近づくか決めよう。
2人目は、同じタイミングで入社した人たち。一緒に入社して、一緒に研修を受けて、一緒にゼロからスタートする。スタートラインも状況も同じで、利害の対立もないから、一番純粋な関係を築きやすい。こういう人たちは、職場で最初の本当の友だちになってくれることが多い。後々それぞれの道を進んでも、いつかお互い助け合える日が来るかもしれない。
でも近づきすぎも禁物。同じタイミングで入っても、後の成長スピードは人それぞれだ。昇進が早い人もいれば遅い人もいて、そうなると関係が微妙になっちゃう。連絡は取りつつも、束縛される関係にはならないようにしよう。
3人目は、みんなが「信頼できる」って言う人。会社には必ず1人か2人、評判がすごく良くて、誰が聞いても「あの人はいい人だよ」「頼りになる」「安心できる」って言う人がいる。こういう人には、なんとかして知り合って、少しずつ近づいてみよう。信頼できる人と友だちになれれば、自分もそうなれるもんだ。しかも信頼できる人の周りには、たいてい同じく信頼できる人が集まってるから、この人をきっかけにもっと多くの良い人と知り合える。
逆に、すごく親切そうに見えて、初日から兄弟みたいに接してきたり、あちこちでゴシップを流したりする人は、距離を置こう。今日あなたに他の人の悪口を言うような人は、明日には他の人にあなたの悪口を言うに決まってる。
人が信頼できるかどうかは、この3点で見極めよう
新しく知り合った人が信頼できるかどうか、どうやって判断する?急いで結論を出さずに、3つのポイントを観察してみよう。
1つ目は、他の人のことをどう言うか。人が陰で他の人をどう評価するかは、その人の人柄を最もよく表す。口を開けば不満ばかり、悪口ばかり言うような人は、器が小さくて心も狭いから、距離を置こう。他の人のことを話す時に客観的で、貶したりゴシップを流したりせず、むしろ相手の良いところに気づけるような人は、たいてい正直で思いやりがあるから、付き合う価値がある。
2つ目は、小さなことをどう処理するか。人を見る時、大きな仕事は見なくていい。大きな場面では誰だって取り繕うもんだ。小さなことを見よう——約束したことをちゃんと守るか、借りたお金をちゃんと返すか、会議に時間通り来るか、店員にどんな態度を取るか。小さなことで信頼できる人は、大きなことでもたいてい信頼できる。小さなことでいい加減だったり約束を破ったりする人は、大きなことなんてもっと当てにならない。
3つ目は、トラブルが起きた時にどう振る舞うか。普段はみんな愛想よくしてるから、本当のところはわからない。トラブルが起きたり、利害が対立したり、プレッシャーがかかったりした時に、人の本性が現れるんだ。問題が起きるとすぐ責任をなすりつけるような人は、付き合わないほうがいい。問題が起きるとすぐ逃げ出すような人は、近づきすぎないほうがいい。問題が起きた時に責任を持って対応し、あなたを助けてくれるような人は、深く付き合う価値がある。
口で何を言うかじゃなくて、何をするかを見よう。あなたに対してどうかじゃなくて、他の人に対してどうかを見よう。
しばらく観察すれば、だいたいの見当はつくようになる。
人脈はWeChatを交換することじゃない、お互い助け合えることだ
多くの新人は、人脈=WeChatやLinkedInを交換したり、いろんなグループに入ったり、飲み会に参加したりすることだと思い込んでる。名刺は山ほど溜まって、WeChatの友だちは数千人いて、自分は人脈が広いと思い込んでる。
でもいざという時になって気づく——そういう人たちは、誰も役に立たないって。
なんで?それは人脈じゃなくて、ただの知り合いだからだ。人脈って何?あなたが困った時に助けてくれるし、相手が困った時にあなたも助けられる。相互的で、対等で、価値の交換が成り立つ関係のことなんだ。
新人で入ったばかりの頃は、何もできないし何も持ってないのに、何を交換しようっていうの?大物のWeChatを交換したら、一緒に仕事をさせてもらえると思ってるの?相手からしたら、何のメリットがあるの?
だからスタートしたばかりの頃は、人脈なんて作ろうとしなくていい。まずは自分の仕事をちゃんとやること。仕事ができるようになって、信頼されるようになって、他の人に価値を提供できるようになれば、人脈は自然についてくる。
「同人于門」——まずは門のところのことをちゃんと片付けよう。目の前の仕事を完璧にこなして、身近な数人との関係をちゃんと築いて、基礎を固める。自分がしっかり立てるようになれば、自然と同じ道を行きたい人が集まってくる。
自分自身がダメなら、どれだけ多くの人と知り合っても意味がない。
ウェン老師はよくこう言う——人脈の本質は、あなたが相手にどんな価値を提供できるかだ。価値があれば友だちは増えるし、価値がなければ誰と知り合っても無駄だって。
スタートしたばかりの頃は、間違った陣営につくな
新人が一番踏みがちな罠は、入社したてですぐに派閥争いに引き込まれることだ。
会社には必ず派閥やグループ、それぞれの陣営がある。ベテラン社員たちはそれぞれ自分のボスを持ってるから、新人が入ってくると自分の陣営に引き入れようとする人が出てくる。
この時、絶対に急いで態度を表明しちゃダメ。どちらの陣営にもつかない、どちらも怒らせない、中立を保って、まずは仕事をちゃんとやろう。
なんで?入ったばかりの頃は、社内の事情がどれだけ複雑か全然わからないからだ。強そうな陣営についたと思っても、2ヶ月も経たないうちにそのグループが崩れちゃうかもしれない。仲良くしてくれる人が信頼できると思っても、ただ利用されてるだけかもしれない。
新人が一度間違った陣営についたら、何年も立ち直れないことだってある。
初九の「同人于門」が、なんで門のところでだけ人と付き合うの?スタートしたばかりの頃は、あなたの行動範囲は門の周りくらいのものだからだ。自分の担当する仕事だけをちゃんと管理して、身近な人と仲良くしつつも、トラブルには巻き込まれないようにしよう。
しっかり足場を固めて、状況がわかって、自分なりの判断ができるようになってから、誰と一緒に行くか、誰とは距離を置くかを決めればいい。
職場では、早く走ることも大事だけど、方向が正しいことのほうがもっと大事だ。間違った方向についたら、早く走れば走るほど、ひどい目に遭うだけだ。
最後に
新しく職場に入った最初の数年で一番大事なのは、たくさんの人と知り合うことじゃなくて、信頼できる人を数人見つけることだ。
教えてくれる先輩が1人か2人いて、一緒に成長できる仲間が数人いて、信頼できる上司が1人いれば、それで十分だ。
友だちが全国にいるような人をうらやましがらなくていい。友だちが多いのも、疲れるもんだ。心から信頼できる人は、数人いれば十分なんだ。
同人于門,無咎。ゆっくり、一歩ずつ進んで、一人ずつ知り合っていこう。まずは身近な人との関係をちゃんと築いてから、少しずつ範囲を広げていけばいい。
遠くまで歩いた頃に振り返るとわかる——最後まで一緒に歩いてくれるのは、最初に急いで知り合おうとした人たちじゃなくて、一緒に仕事をして、一緒にトラブルを乗り越えて、一緒に成長してきた人たちなんだって。
そういう人たちこそ、あなたの本当の同路人なんだ。