一言でわかる六十四卦・巽宮(そんぐう)の八卦 ☴
第9卦 小畜卦(風天小畜)
卦象:上巽(風)、下乾(天)
☀ 陽:密雲雨ならず、小いに畜む(たくわえる)。力は小さくとも方向は正しく、柔をもって剛を畜し、少なきを積みて多きを成す。着実に一歩ずつ進めば終に目標に達するが、大きなものを貪ってはならない。
☾ 陰:力は弱いのに大きな事を企てれば、力が及ばず心が追いつかない。蓄積が足りぬまま急いで成果を求めれば、かえって資源が枯渇する。小をもって大に挑めば、むなしく功を挙げられず、かえって自身の元気を傷つける。
第20卦 観卦(風地観)
卦象:上巽(風)、下坤(地)
☀ 陽:風は地上に行き、あまねく衆生を観る。全局を洞察し、高きに立って遠くを望み、方向を明らかに弁別する。多く観察し、みだりに動かず、自らの言行の模範を重んじ、徳をもって人を感化する。
☾ 陰:観るだけで行動しなければ好機を逸し、机上の空論では結局浅はかなものに終わる。他人のプライバシーをうかがえば嫌われ、傍観者は清く見えても自省しなければ同じく愚かなものである。
第37卦 家人卦(風火家人)
卦象:上巽(風)、下離(火)
☀ 陽:風は火より出ず、家を治める道である。各々がその分を守り、長幼の序が整い、言行が一致する。家が和らげば万事が栄え、身を修め家を斉えてこそ天下に事を成し得、自らを手本として家人を教化する。
☾ 陰:家の秩序が失われ、内外の区別がつかなければ家道は衰える。家の治めが厳しくなく、溺愛し放縦にすれば家を滅ぼす源となる。家人が和せず、各々に思うところがあれば裏庭から火が出る(内輪からトラブルが生まれる)。
第42卦 益卦(風雷益)
卦象:上巽(風)、下震(雷)
☀ 陽:風雷が激しく打ち鳴らされ、互いに益する。他を利することは即ち自らを利し、人を助けることは即ち自らを助ける。積極的に行動し、広く恩恵を施し、上を損じ下を益すれば万民は歓び、互恵共栄こそが大道である。
☾ 陰:ただ奪うことを知り、与えることを知らなければ終に人の心を失う。自らを益するという名のもとに人を損じる行いをすれば、得るより失うが多い。益することに度を越し、貪りに飽きなければかえって損害を招く。
第53卦 漸卦(風山漸)
卦象:上巽(風)、下艮(山)
☀ 陽:山の上に木あり、序に従い漸次進む。木が成長するように焦らず騒がず、一歩一歩確実にし、着実に高めていく。正道に従い、順を追って進めば、終に高遠の境地に達する。
☾ 陰:急いで成果を求めれば、急げば急ぐほど達成できない。規則に従わずに事を行えば秩序を失い、段階を飛ばして無闇に進めば必ずつまずく。漸進の中で忍耐を失えば、これまでの功が水泡に帰す。
第57卦 巽卦(巽為風)
卦象:上巽(風)、下巽(風)
☀ 陽:風に随って巽(したが)い、柔らかく微細に入る。柔をもって剛を制し、勢いに導いて事を進め、風のように隙間なく入り込む。知らず知らずのうちに物事に影響を与え、勢いに乗って行い、柔をもって剛を制する。
☾ 陰:過度に従順であれば立場を失う。風に吹かれて揺れ動き、自分の考えがなければ大事を成し難い。優柔不断で移ろいやすければ人から信を失う。柔弱で骨がなければかえって欺かれる。
第59卦 渙卦(風水渙)
卦象:上巽(風)、下坎(水)
☀ 陽:風は水上に行き、散じて離れる。人の心が散っている時は、誠実なコミュニケーションで共通の認識を結び、風が水面に吹いてさざ波を立てるように、人の心を再び集め、共通の信仰を築く。
☾ 陰:散じたまま収めなければ、ばらばらになって収拾がつかなくなる。放任しておけば各々が勝手に振る舞い、崩れ去って離散する。人の心が散れば大事は成し難く、局面は挽回できなくなる。
第61卦 中孚卦(風沢中孚)
卦象:上巽(風)、下兌(沢)
☀ 陽:風は沢の上に行き、中心は誠実である。内心の誠実さは風が沢の水を吹くようであり、誠実をもって天地を感動させる。言行が一致し、誠をもって人に接すれば天下の心が帰し、誠実は身を立てる本である。
☾ 陰:軽々しく他人を信じれば利用され、誠実は天真らんまんと同じではない。表面は誠実で内心は偽りであれば、終に見破られる。信じても是非を弁別しなけ