イヤホンをなくして慌てる?古人の決断の知恵が正しい選択の仕方を教えてくれる
要約:風山漸の卦を用いてイヤホンを探した小さなエピソードから、古人が事に臨んで慌てない決断の思考法を読み解く。
先日、慌てた様子で友人が私を探してきた。Bluetoothイヤホンをなくしたという。バッグの中もポケットも隅々まで探したが見つからず、ひどく落ち込んでいて、「新しいのを買うべきか、それともあと2日ほど必死に探すべきか、どう選んだらいい?」とすぐに聞いてきた。
私は彼にまずコインを使って卦を立ててもらった。すると「風山漸(ふうざんせん)」の卦が出て、二爻と六爻が動いて「水風井(すいふうせい)」に変わった。これを不思議なことだと思わないでほしい。古人がこうした方法を用いたのは、本質的にはごちゃごちゃになった思考を整理するためで、現代の意思決定ツリーを使うのと同じ理屈なのだ。
まず本卦の「漸」を見てみよう。「漸」とはどういう意味か?段階を追って進む、ということだ。『周易』には「漸の進むは、女の帰(よつぎ)吉なり」とある。これは娘が嫁ぐように、一歩ずつ進め、急いではいけないという意味だ。このイヤホンは何もないところから消えたのではなく、何かに隠れているだけだ。急いでむやみに探し回れば探すほど、見えているのに気づかなくなりやすい。多くの人はトラブルに遭うとすぐに慌てふためいて、「運が悪い、どうしたらいい?」と思う。実は「焦る」という気持ちを捨てるだけで、半分は勝ったようなものなのだ。
次に体用(たいよう)を見てみよう。体卦は艮土(ごんど)で、物を探している人を表す。用卦は巽木(そんもく)で、なくしたイヤホンを表す。木は土を克する(打ち負かす)ので、一見すると見つけるのは難しいように思える?早合点してはいけない。月令(げつれい:その月の五行の勢い)を見る必要がある。もし辰・戌・丑・未といった土が旺(さかん)な月なら、体卦の勢いが強いので、克されてもそれほどひどいことにはならない。これはプロジェクトを進めるとき、相手が少し強くても、こちらが天時と地利を占めていれば、必ずしも負けるわけではないのと同じだ。
互卦は「火水未済(かすいみさい)」だ。途中には必ず波乱がある。例えば探している途中で別のことに邪魔されたり、最初は違う場所を探してしまって手間取ったりする。だが上互は離火(りか)で、火は土を生む(助ける)。これは探しているうちに手がかりが浮かんでくることを示している——ふとしたひらめきで何かを思い出したり、周りの人が何気なく言った一言で目が覚めたりするかもしれない。
変卦は「水風井」? いや、待てよ。二爻と六爻が動くなら、下卦の艮が坎に変わり、上卦の巽は変わらない。そうだ、水風井だ。井の卦はどういう意味だろう?井戸は固定されていて、水を汲みに来る人が行き来しても、井戸自体は動かない。これはつまり、イヤホンは外に持ち出されておらず、いつも過ごしている場所にとどまっているということだ。井戸のように、元の場所にいて人が探しに来るのを待っているのだ。
動爻も面白い。二爻が動くのは低い場所、膝から腰くらいの高さを表す。六爻が動くのは高い場所、あるいは視界の死角を表す。合わせると高低差の大きな位置ということになる——例えば床に落ちたと思っていたら、ハンガーにかけた帽子の中に引っかかっていたり、本棚の下段にあると思っていたら、最上段の本の隙間に挟まっていたりする。巽卦は東南方向、木製の家具、衣類、カーテンなども表す。探すときはまず東南方向を探し、服の山を漁ったり、机の引き出しを開けてみたり、カーテンの脇をのぞいたりすると、見つかる確率がぐっと上がる。
タイミングについては、漸卦は「ゆっくり」を表すので、夜通しで家の中を引っ掻き回す必要はない。午前の辰時・巳時(7時から11時)に探すのが一番適している。もし当日見つからなくても、3日から5日ほどしてからまた注意して探してみれば、雑物を整理しているときにひょっこり出てくるかもしれない。
ほら、これは物がどこにあるかを占っているのではない。完全な意思決定ロジックなのだ:まず大まかな方向を決め(外にはない)、次に範囲を絞り(東南・木に関連する場所)、行動指針を示し(高いところも低いところも探す、焦らない)、最後に心の準備を与える(ゆっくり探せば見つかる)。正しい決断をするにはどうしたらいいか?勘に頼るのではなく、ぼんやりとした不安を具体的なステップに分解し、一歩ずつ進めることだ。
後日、その友人は3日目にソファのクッションを片付けていたとき、クッションの隙間からイヤホンを取り出した——まさに低い場所、木製家具のそば、物に隠れていたのだ。彼は前に3回もソファを探したのに見つからなかったと言っていた。その日はただリビングを整理しようと思って、手を伸