観卦九五:リーダーに最も大切な能力とは?「観我生」——己を見つめられてこそ、人を率いられる

観卦の九五は君位にあたり、爻辞には「観我生、君子無咎(わが生を観る、君子咎なし)」と記されている。高い地位にある者は常に自らの言動を省みることで、大きな過ちを避けられる。多くの経営者の失敗は能力不足ではなく、自分自身を見誤っているためだ。本稿はリーダーシップの視点から、観卦九五の叡智を読み解く。

📅 1970年1月1日✍ 闻老师👁 7

リーダーになる人が、最も陥りやすい過ちは何だろう?


能力が足りないわけでも、経験が浅いわけでもない。地位が高くなると、自分自身が見えなくなってしまうことだ。


部下は毎日お世辞を言い、持ち上げてくれる。口にするのは、あなたの聞きたい言葉ばかり。それが長く続くと、本当に自分は何でもできると思い込んでしまう。


あなたの言うことには誰もが同調し、あなたのすることには誰もが正しいと言う。そのうちに、自分を客観的に判断する力を失ってしまう。


これが一番危険なことだ。


風地観の九五は、まさにこのことを説いている。爻辞には「観我生、君子無咎(わが生を観る、君子咎なし)」とある。


九五は君の位、つまりリーダーの位置だ。「観我生」とは、自分の行いを省みること。「君子無咎」とは、それができてこそ、大きな過ちを犯さないという意味だ。


地位が高くなるほど、自分が見えなくなる


なぜリーダーになるほど、自分自身が見えなくなるのだろう?


理由は単純だ——情報がフィルタリングされてしまうからだ。


あなたが社長なら、部下は何もかも正直に話してはくれない。良い知らせは我先に報告するが、悪い知らせは隠しておく。あなたが目にするのは、すべて他人に見せられた情報ばかりなのだ。


それが長く続くと、情報の繭に閉じこもったようになる。すべて順調だと思っていても、実際は問題だらけなのだ。


もう一つの理由は——権力が人を増長させるからだ。


厳しい言い方になるが、人は権力を持つと、浮かれやすくなる。自分のやることなすことすべて正しくて何でもできる、他人はみな間違っていると思い込んでしまう。


これはごく自然な、人間の性(さが)だ。だがリーダーとしては、この問題に自覚的でなければならない。さもなければ、遅かれ早かれ失敗する。


歴史にはこうした例が数多くある。英明で武勇に優れた皇帝でも、晩年には愚かしくなる。知能が低下したのではなく、地位が高すぎて、誰も本当のことを言えなくなったからだ。


優れたリーダーに共通する3つの習慣


本当に優れたリーダーは、過ちを犯さない人ではない。自分を正しく見つめ、過ちをすぐに正せる人だ。


どうすればそうなれるのか? この3つの習慣を身につけよう。


一つ目の習慣:進んで反対意見を求めること。


誰かが「違う」と言ってくるのを待つのではなく、自分から聞きに行くのだ。


会議では、まず自分の考えを言わないこと。先にあなたが意見を言ってしまうと、部下は口を閉ざしてしまう。まず皆に話させ、多様な声に耳を傾けよう。


特に反対意見には、よく耳を傾けるべきだ。反対されたからといって不機嫌にならないでほしい。反対する人がいるということは、あなたの考えに本当に問題がある可能性があるからだ。


反対意見に耳を傾けられるリーダーこそ、本当に優れている。


二つ目の習慣:定期的に自分自身を振り返ること。


他人を振り返るのではなく、自分自身を振り返るのだ。


仕事がうまくいかなかったとき、「誰のせいだ」と考える前に、「自分のどこが悪かったのか」をまず考えよう。決断が間違っていたのか、それとも人選が間違っていたのか? 方向性が間違っていたのか、それとも進め方のペースが間違っていたのか?


多くのリーダーは、問題が起きるとすぐ部下のせいにする。だが考えてみてほしい。人を選んだのも、仕事を決めたのもあなた自身だ。問題が起きたのなら、一番の責任はあなたにある。


常に自分を省みてこそ、あなたは成長できる。チームも成長できるのだ。


三つ目の習慣:現場との接触を保つこと。


毎日オフィスに座って報告を聞いているだけではいけない。もっと現場に足を運び、基层の社員と話し、顧客と接する機会を増やそう。


現場の情報が一番真実に近い。顧客が製品を使ってくれているか、社員は楽しく働けているか、業務の流れはスムーズか——こうしたことは、オフィスにいても絶対にわからない。


積極的に現場に出向くことで、実際の状況を肌で感じられるようになり、部下にごまかされることもなくなる。


観我生、そして己を修める


「観我生」は目的ではなく、手段だ。


自分の問題に気づいたら、その先はどうするか? 改めることだ。


反省して自分に問題があるとわかっていても、改めようとしない人は多い。「わかっている」ことと「できる」ことの間には、天地ほどの隔たりがある。


なぜ改めないのか? 自分を変えるのは、あまりにも難しいからだ。


自分の欠点を直すのは、自分の肉をナイフで切り取るようなもの。痛いのだ。


だが改めなければ、問題はそこにあり続ける。小さな問題は大きな問題になり、大きな問題は災難につながる。


だから本当に優れた人は、問題がない人ではなく、問題に向き合い、改める勇気のある人だ。


観我生、そして己を修める。これこそがリーダーの修養なのだ。


最後に


風地観の九五のこの言葉を、すべてのリーダー、そして上を目指すすべての人に贈りたい:


「観我生、君子無咎(わが生を観る、君子咎なし)」


あなたがどこまで行けるかは、どれだけ頭が良くて有能かではなく、自分自身を正しく見つめられるかどうかにかかっている。


地位に浮かれて我を忘れず、拍手に惑わされて目を曇らせないでほしい。


常に冷静さを保ち、常に自分を省みること。


そうすればこそ、安定して、長く歩んでいけるのだ。

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