恋愛が冷めるのは愛がないのではなく、接し方を変える時——乾卦九三「終日乾乾」の恋愛における叡智
恋心が冷めてきたらどうすればいい?乾卦の九三「君子終日乾乾、夕惕若厲(くんしはしゅうじつけんけんたれ、ゆうにれいあるがごとくつつしむ)」が答えを教えてくれる。良い恋は放っておくものではなく、「終日乾乾」と手をかけて育てるものだ。本記事では、交際初期の馴染み期・倦怠期・長期交際の3つの視点から乾卦第三爻の恋愛の知恵を読み解き、恋の壁を乗り越えるヒントを届ける。
恋愛感情が冷めてきたらどうすればいい?ある女の子が最近このことで私に相談に来て、話しているうちに泣き出してしまった。
彼女は彼氏と付き合って6年になると言う。大学時代から社会人になり、賃貸アパートから今は自分たちの小さな家を持つまでになった。普通ならどんどん上手くいくはずでしょ?でも彼女は不安になるばかりで、この恋がこれからどうなるのか見当がつかないのだという。
「今の私たち、まるでルームメイトみたいなの」と彼女は言う。毎日仕事から帰ってきたら、彼はゲームをするし、私は動画を見る。食事の時も話すことなんてなくて、食べ終わったらそれぞれ好きなことをする。ケンカする気力すらなくなっちゃった、って。
「これって普通なのかな?もう愛は終わっちゃったのかな?別れたほうがいいのかな?」と彼女は聞いた。
私はすぐには答えなかった。「まず結論を急がないで。一つ話を聞いて」と言った。
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乾卦で一番きつい爻
乾卦の九三、爻辞は「君子終日乾乾、夕惕若厲、無咎」です。
意訳すると:君子は昼間は勤勉に励み、夜には警戒して自省し、まるで危機に直面しているかのようにする——そうすれば大きな問題は起こらない、という意味です。
九三は乾卦の中で一番きつい爻です。なぜか?中途半端な位置だからです。
初九は一番下にいて、コツコツと実力を蓄えればいい。九二は真ん中あたりで、頭角を現せば助けてくれる人も現れる。九四以上は上に行けば行くほど道が開けていく。ただ九三だけは、下卦の頂点にいるのに上卦はまだ始まっていない。真ん中に引っかかって、進むのも退くのも難しい状態なんです。
低いと言えば、もう下卦の一番上まで登ってきている。高いと言えば、上卦にはまだ届かない。さらに上に登るのは大変だし、下に戻るのも悔しい。
だから「終日乾乾」——昼間は必死に働いて、夜はビクビクしながら反省する、という状態になるんです。
でも知ってる?恋愛だって同じなんですよ。
熱愛期は初九から九二にかけて。ラブラブで何もかも新鮮で、二人ともどこから見ても素敵に思える。あの頃は自分で恋愛を育てなくても、ホルモンが全部やってくれるからね。
新鮮さがなくなって、ホルモンの作用が落ち着いたら、九三の段階に入るんです。
これが恋愛で一番きつい時期。そして一番別れやすい時期でもある。
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なぜ恋愛は3年目で終わりやすいのか
気づいてる?たくさんのカップルが3年目、5年目、7年目で別れるんです。
なぜ1年目じゃないの?1年目はまだラブラブで、誰が別れるもんですか。
なぜ10年目じゃないの?10年目にはもうだいたい歩み寄りも済んで、生活も軌道に乗ってるから。
終わるのは、真ん中の中途半端な数年間なんです。ちょうど乾卦の九三の位置にあたる時期ね。
この段階の恋愛には、いくつか特徴があります。
**第一に、新鮮さがなくなること。**
付き合いたての頃は、相手がおならをしても可愛いと思えた。付き合って数年経ったら、相手が一言話すだけでうんざりするようになる。
相手が変わったんじゃない。新鮮さがなくなっただけなんです。新鮮さには賞味期限がある。賞味期限が切れて初めて、本当の相手が見えてくるんです。
多くの人は「新鮮さがなくなった=愛が終わった」と思い込んでる。でも違うんです。新鮮さがなくなってからが、本当の恋愛の始まりなんですよ。
**第二に、不満が溜まってくること。**
付き合いたての頃は、何だって許せた。相手の性格が悪くても「大丈夫、私が許してあげる」って思えた。相手が汚屋でも「大丈夫、私が片付ける」って思えた。
時間が経つと、もう我慢できなくなる。以前は小さな欠点だと思ってたのが、今では大問題に思える。以前は笑って済ませられたのに、今では一日中ケンカしちゃう。
欠点が大きくなったんじゃない。あなたの忍耐力が尽きただけなんです。
**第三に、期待とのギャップが大きくなること。**
付き合いたての頃は、相手が完璧に思えた。付き合って数年経ったら、彼にも足の裏をほじる癖があるし、だらしないところもあるし、サボることもあるし、ゲームで夜更かしすることだってあるってわかる。
あなたはがっかりする。「彼って変わっちゃった」って思う。
でも実は彼は変わってない。ずっとそうなんです。ただ以前のあなたがフィルター越しに彼を見てただけ。フィルターが壊れて、本当の彼が見えるようになったから、受け入れられなくなっちゃうんです。
この3つが重なると、乾卦の九三の段階の苦しみになるんです。乗り越えられれば、その先には四・五・六と広い世界が待ってる。乗り越えられなければ、最初に戻ってまたやり直すしかない。
でも多くの人が知らないのは——他の人と付き合っても、結局同じ道をたどるってこと。熱愛から歩み寄りの時期へ、新鮮さから平穏へ、誰もが通らざるを得ない道なんです。
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「終日乾乾」を恋愛に活かすには
じゃあ乾卦の九三の段階に来たら、どうすればいいの?
爻辞にはこう書いてあります:「終日乾乾、夕惕若厲」。
どういう意味かというと、昼間はちゃんと向き合って、夜はちゃんと反省する。不安になるんじゃなくて、冷静になるためにね。
一つずつ説明しましょう。
**第一に、「終日乾乾」——自発的に育てる、放っておかないこと。**
恋愛に問題が起きた時、多くの人が口にするのが「自然に任せよう」って言葉です。
「自然に任せる」ってどういう意味?「もうどうでもいい、勝手になれ」ってことでしょ。うまくいくならいくし、ダメなら別れればいい、って。
でも恋愛って、放っておいたら悪くなる一方で、良くなることなんてないんです。鉢植えの花と同じで、水をやらなかったら枯れるだけで、勝手にどんどん綺麗になったりはしない。
「終日乾乾」とは——ちゃんと自分から水をやって、土を耕して、枝を切ってあげることなんです。
自発的に育てるって、どういうこと?サプライズでロマンチックなことをしたり、高価なプレゼントを贈ったりすることじゃない。毎日10分だけでも、真剣に相手と話す時間を作ることなんです。野菜の値段がどうとか、子供の宿題が終わったかとか、そういう話じゃなくて、今日どんなことがあったか、どう思ったか、最近どんな悩みがあるか、そういう話をするんです。
相手が疲れてるなと思ったら、「当然でしょ」と思うんじゃなくて、自分から水を一杯渡すこと。
ケンカした時は、何日も黙り込んで自然に収まるのを待つんじゃなくて、ケンカの後に座って「さっきは何でケンカしたんだっけ」とちゃんと話し合うこと。
これらは全部小さなこと。でも恋愛って、こういう小さなことの積み重ねで支えられてるんです。
**第二に、「夕惕若厲」——寝る前に、今日傷つけるようなことを言わなかったか考えてみる。**
「夕惕若厲」とは、夜にも警戒を怠らず、まるで危険に直面しているかのようにする、という意味です。
恋愛における危険って何?浮気相手でもお金の問題でもない。何気なく言った傷つける言葉、無意識に見せた嫌そうな態度、「どうせ別れないでしょ」と思って好き勝手に振る舞う態度、そういうものなんです。
こういうのは、言ったその時は何とも思わない。でも溜まっていくんです。溜まりすぎると、トゲになって相手の心に刺さる。
だから毎晩寝る前に、2分だけでいいから考えてみてほしい。今日、言わなきゃよかったことを言わなかったかな?相手を悲しませることをしなかったかな?もしあったら、翌日に謝ったり、優しい言葉をかけたりして。
「もう長く付き合ってるんだから、そんなことしなくても」なんて思わないで。長く付き合っているからこそ、こういう気遣いが必要なんです。
**第三に、「反復道也」——恋愛は何度も確かめ合うプロセスだということ。**
『象伝』にはこうあります:「終日乾乾、反復道也」。
「反復道也」ってどういう意味?何度も何度も同じ道を歩き、怠けないようにする、ということです。
恋愛も同じ。一回愛したら終わりじゃない。何度も何度も、同じ人を愛し直さなきゃいけないんです。今日少し愛して、明日また少し愛して、明後日もまた少し愛して。それを積み重ねたら、一生になるんです。
多くの人は「人を好きになるのは一瞬のこと」だと思ってる。でも違うんです。人を好きになるのは、たくさんの一瞬の積み重ねなんですよ。
彼が真剣に仕事をしてる姿を見て、また好きになる。彼が子供をあやしてる姿を見て、また好きになる。彼がこの家のために走り回ってる姿を見て、また好きになる。
こういう「また好きになる」の積み重ねが、長く続く恋愛になるんです。
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最後に少しだけ
あの女の子とは、長い時間話しました。
彼女が帰る時、目はまだ赤かったけど、前ほど慌ててる様子はなかった。
2、3ヶ月経って、彼女からメッセージが来た。彼氏と真剣に話し合って、心の中の思いを全部打ち明けたんだって。彼も同じように感じてたけど、自分のせいだと思ってなかなか言い出せなかったらしい。
今は毎週金曜日を「おしゃべりの夜」に決めて、スマホも見ないしゲームもしないで、ただ座って話す時間を作ってるんだって。仕事のこと、友達のこと、子供の頃の思い出、将来の夢、何でも話すんだって。
「今になってわかったの、私たちってこんなに話すことがあったんだって。前は話すことがなかったんじゃなくて、お互いに話す機会を作ってなかっただけなんだね」と彼女は言ってた。
それを聞いて、私はすごく嬉しかった。
多くの恋愛は、死んだんじゃなくて眠ってるだけなんです。もうなくなったと思っても、ただあなたが起こしてあげるのを待ってるだけなんですよ。
時代は変わって、方法はどんどんシンプルになってる。でも一つだけ変わらないことがある——良い恋愛は空から降ってくるものじゃなくて、二人が少しずつ育てていくものだってこと。
熱愛期の甘さなんて大したことない。大変なのは新鮮さがなくなった後も、この人と真剣に暮らしていこうと思えるかどうかなんです。
終日乾乾、夕惕若厲。
大変だと思うでしょ?
でも考えてみて。目の前にいるその人は、あなたが必死になって一緒になりたいと思った人なんですよ。その人のためなら、少しくらい大変でも、価値があるんじゃないかな?
私は価値があると思う。
もし今あなたが恋愛の倦怠期を迎えているなら、急いで別れないで。
まずはこの爻の叡智を、試しに使ってみてください。