一言でわかる離宮(りきゅう)の八つの卦☲
第14卦 大有卦(火天大有)
卦象:上離(火)、下乾(天)
☀ 陽:日が中天に輝き、光明があまねく照らし、大豊作の象。事業が最盛期を迎え、資源が豊かである。富めば富むほど謙虚であれ、徳をもって人の心を集めてこそ長続きし、悪を遏し善を顕わすは天道にかなう。
☾ 陰:富んで骄り、富を誇示すれば災いを招く。骄奢淫逸に走ればたちまち没落し、才を恃んで物を傲れば最終的に人の心を失う。財富は徳行に守られなければ、砂の上に塔を建てるがごとく、たちまち崩れ去る。
第21卦 噬嗑卦(火雷噬嗑)
卦象:上離(火)、下震(雷)
☀ 陽:雷と電が交わり、頬の中に物があるがごとく、果断に法を執り行う。障害に遭えば必ず除き、剛であるべきときは剛く、断つべきときは断ち、公正厳明で曖昧にせず、雷のように速やかに障害を一掃する。
☾ 陰:心が柔らかく手を焼き、悪を見逃せば後患が尽きない。法の執行が不公であればかえってその害を受け、手段が過ぎれば矛盾を激化させる。障害を除く力が足りなければ、障害が自らに跳ね返る。
第30卦 離卦(離為火)
卦象:上離(火)、下離(火)
☀ 陽:日月が天に輝き、光明が付麗する。柔順中正の道をもって通透を保ち、正道に依り拠れば光り輝く。絶えず光と熱を放ち、前途は明るく、文明をもって天下を徳化する。
☾ 陰:依り拠るところがなければ根なしの火のように、燃え尽きれば消える。情熱の置き場がなければ最終的に虚しい消耗となり、光がまぶしければ他人を焼き傷つける。依り拠るところを失えば孤立無援となる。
第35卦 晋卦(火地晋)
卦象:上離(火)、下坤(地)
☀ 陽:日が地上に昇り、光明が上進する。事業が昇進するとき、公明正大な徳行をもって賞賜され抜擢される。前途は明るく、才華を発揮でき、一歩ずつ高みに登る。
☾ 陰:権謀術数でのし上がれば名が正しくなく言葉が順わない。昇進した後に有頂天になればたちまち落ちぶれる。進むことに貪り歩みを止めることを知らなければ、高き所は寒さに堪えがたい。
第38卦 睽卦(火沢睽)
卦象:上離(火)、下兌(沢)
☀ 陽:火は上に燃え上がり沢は下を潤し、方向が背く。乖離の中で同を求め異を存し、分岐の中で協力の可能性を探す。小事は成り得、誠意をもって乖離を和合に変え、異の中から同を求める。
☾ 陰:自説に固執すれば矛盾が深まり、各々の道を行けば最終的に分裂する。大事は成り難く、人の心が離反すれば無理に合わせることはできない。対立を解消しなければますます遠ざかる。
第50卦 鼎卦(火風鼎)
卦象:上離(火)、下巽(風)
☀ 陽:木の上に火があり、鼎は調理の重器である。賢者を養い能者を用い、革新して制度を建て、包容の心をもって差異を調和し、対立を合力に変える。重器は大なる任を担い、真の才学が必要である。
☾ 陰:才が位に釣り合わなければ鼎の足が折れ、公務が覆る。徳が薄く位が尊ければ力が及ばない。鼎の中の食物が汚れていれば食べれば害があり、人を用いるのが不適切であれば国と民を誤る。
第56卦 旅卦(火山旅)
卦象:上離(火)、下艮(山)
☀ 陽:山の上に火があり、旅路を漂泊する。異郷に客寓するときは謙虚慎み深く、低姿勢で行動すべきである。変動の中で柔軟に適応し、柔順の道をもって旅に処すれば、小さな亨通で安らげる。
☾ 陰:漂泊が定まらなければ根基が失われ、客寓して傲慢であれば災いを招く。旅の中で心の落ち着く場所がなければ精神が散漫になる。人の屋敷に寄寓していることを自覚しなければ人に軽んじられる。
第64卦 未済卦(火水未済)
卦象:上離(火)、下坎(水)
☀ 陽:火が水の上にあり、事が未だ成し遂げられていない。六十四卦は未済をもって終わり、事物には終わりがなく新たな始まりが間近に迫っていることを象徴する。希望を持ち続け努力を重ね、未完成の中に無限の可能性を見出す。
☾ 陰:忍耐力を失えば急いで成そうとしてかえって大事を誤る。陰陽が位を失えば万事が順調でない。未済の中で自信を失えば永遠に彼岸にたどり着けず、功は一篑にして虧く。