巽宮(そんきゅう)の8つの卦を一言で理解する☴
第9卦 小畜卦(風天小畜)
卦象:上巽(風)、下乾(天)
☀ 陽:密雲雨ならず、小さく蓄える。力は小さくとも方向は正しく、柔をもって剛を畜し、少しずつ積み重ねて多くを成す。着実に一歩ずつ進めば最終的に目標に達するが、大きなものを貪ってはならない。
☾ 陰:力が弱いのに大きな事を成そうとすれば、力が及ばず心が折れる。蓄えが足りないのに急いで成果を求めれば、かえって資源が枯渇する。小さな力で大きなものを狙えば、無駄な努力に終わり、自身の活力を傷つける。
第20卦 観卦(風地観)
卦象:上巽(風)、下坤(地)
☀ 陽:風が地上に行き渡り、あまねく衆生を観る。全局を見通し、高い所に立って遠くを見据え、方向を明らかに見極める。よく観察し、むやみに動かず、自身の言動が模範となることを重んじ、徳をもって人を感化する。
☾ 陰:観るだけで行動しなければ好機を逃し、机上の空論では結局浅はかなものに終わる。他人のプライバシーをうかがえば嫌われ、傍観者として物事を冷静に見られても自省しなければ同じく愚かである。
第37卦 家人卦(風火家人)
卦象:上巽(風)、下離(火)
☀ 陽:風が火から生まれるは、家を治める道である。それぞれの分を守り、長幼の序を正し、言動を一致させる。家が和らげば万事がうまくいき、身を修め家を整えてこそ天下で事を成せる。身をもって範を示し、家人を教化する。
☾ 陰:家の秩序が乱れ、内外の区別がつかなければ家道が衰える。家の統制がゆるく、溺愛して放任すれば家を滅ぼす源となる。家人が仲違いし、それぞれに思いを抱けば裏庭から火が出る(内輪からトラブルが起こる)。
第42卦 益卦(風雷益)
卦象:上巽(風)、下震(雷)
☀ 陽:風と雷が激しく打ち鳴らされ、互いに益を与え合う。他を利することは即ち己を利し、人を助けることは即ち己を助けることである。積極的に行動し、広く恵みを施し、上を損ねて下を益すれば万民は歓び、互恵共栄こそが大道である。
☾ 陰:得ることだけを知り与えることを知らなければ、最終的に人の心を失う。己を益するという名のもとに人を損ねる行いをすれば、損の方が大きくなる。益を際限なく求め、貪りに飽きなければ、かえって損害を招く。
第53卦 漸卦(風山漸)
卦象:上巽(風)、下艮(山)
☀ 陽:山の上に木が生えるは、順を追って進むことである。木が成長するように焦らず騒がず、一歩一歩確実に身を固め、着実に高めていく。正道に従い、順序立てて進めば、最終的に高遠の境地に達する。
☾ 陰:急いで成果を求めれば、急げば急ぐほど達成できない。規則に従わずに行動すれば秩序が乱れ、段階を飛ばして無謀に進めば必ずつまずく。漸進の過程で忍耐力を失えば、これまでの努力が水泡に帰す。
第57卦 巽卦(巽為風)
卦象:上巽(風)、下巽(風)
☀ 陽:風に従う巽は、柔らかく細やかに入り込む。柔をもって剛を制し、勢いに乗じて導き、風のように隙間なく入り込む。物事に知らず知らずのうちに影響を与え、勢いに沿って行動し、柔をもって剛を制する。
☾ 陰:従いすぎれば立場を失う。風に吹かれて揺れ動き、自分の考えがなければ大きな事を成すのは難しい。優柔不断で気まぐれであれば人から信頼されない。弱くて骨がなければ、かえって欺かれる。
第59卦 渙卦(風水渙)
卦象:上巽(風)、下坎(水)
☀ 陽:風が水上に吹くは、涣散(ばらばらになること)である。人の心がばらばらになった時、誠実なコミュニケーションで共通の認識を集め、風が水面にさざ波を立てるように人の心を再び結びつけ、共通の信仰を築く。
☾ 陰:涣散したまま収めなければ、四分五裂になり手がつけられなくなる。放任しておけばそれぞれが勝手に振る舞い、崩れ落ちてバラバラになる。人の心が離れれば大きな事は成し遂げられず、事態は取り返しがつかなくなる。
第61卦 中孚卦(風沢中孚)
卦象:上巽(風)、下兌(沢)
☀ 陽:風が沢の上に吹くは、心の中の誠実さである。心の誠実さが風が沢の水を吹くようであり、誠実さをもって天地を感動させる。言動を一致させ、誠をもって人に接すれば天下の心が帰依し、誠実さは身を立てる根本である。